日本は世界でも類を見ないスピードで少子高齢化が進んでいます。内閣府の調査によると、65歳以上の高齢者は2025年には全人口の3割を超える見込みです。こうした状況のなか、高齢者が安心して暮らすための「見守り」の重要性が急速に高まっています。
離れて暮らす家族は、日常的に両親や祖父母の様子を確認できないことに不安を抱えています。また、介護施設でもスタッフ不足や夜間巡回の負担が問題となっています。
そこで注目されているのが「防犯カメラ 見守り」という新しい活用法です。防犯カメラは従来、空き巣や不審者の侵入対策として利用されてきましたが、現在は「高齢者見守り」や「介護サポート」「育児サポート」にまで用途が広がっています。
本記事では、防犯カメラを活用した見守りのメリットや導入のポイント、実際の設置事例を紹介し、安心できる暮らしの実現方法を解説します。
総務省の統計によると、日本の一人暮らし高齢者は年々増加し、2020年には約700万人を突破しました。
独居生活では、転倒事故や徘徊といったリスクが常に隣り合わせです。
特に転倒事故は高齢者の要介護化の大きな要因とされ、厚生労働省の報告では65歳以上の転倒による救急搬送件数は年間15万人を超えるとされています。
離れて暮らす家族にとっては「今日も元気で過ごしているか」「体調に急変はないか」といった心理的な不安がつきまといます。電話やメールだけでは把握できない日常の様子を確認できる仕組みが求められているのです。
かつては防犯カメラ＝監視カメラといえば、店舗や駐車場の犯罪抑止を目的とするものでした。ところが現在では「防犯カメラ 見守り」という形で家庭や介護施設にも導入が進んでいます。
このように技術の進歩により、手軽に高齢者や子ども、ペットを見守れる環境が整いつつあります。
防犯カメラに見守り機能を組み合わせると、スマホアプリでリアルタイムに室内の様子を確認できます。
例えば「今日はきちんと食事をしているか」「体調に変化はないか」といった日常の確認が可能です。転倒検知機能やモーションセンサーと連動するタイプなら、異常があった際に通知が届くため、迅速に対応できます。
防犯カメラの基本機能である「不審者の侵入抑止」はもちろん健在です。加えて、高齢者が狙われやすい特殊詐欺や押し売りの訪問販売を防ぐ役割も果たします。
玄関にカメラを設置すれば、家族が遠隔から来訪者をチェックでき、安心感が一層高まります。
介護施設においても「防犯カメラ 見守り」の導入は効果的です。夜間の巡回負担を軽減し、スタッフ不足を補うサポートツールとして活用されています。
また、録画データは事故検証や介護の質向上にも役立ちます。例えば転倒事故が起きた場合、カメラ映像を確認することで再発防止策を検討できるのです。
ポイント①室内（居間・寝室）：生活リズムや安否確認に有効
ポイント②玄関・門扉：来訪者の確認や詐欺防止に活躍
ポイント③屋外（庭・駐車場）：不審者や侵入者の防犯強化
カメラを設置する際はプライバシーへの配慮が欠かせません。本人の同意なしに寝室へ設置するのは避けるべきです。また、録画データは個人情報であるため、保管・管理方法に注意が必要です。
遠隔地に住む家族がスマホで定期的に映像を確認できれば、安心感が大きく向上します。
地震や台風といった災害時にも、無事をいち早く確認できるのは大きな利点です。
買い物や仕事で外出している間も、防犯カメラで留守中の高齢者を見守れます。認知症の方が急に外出してしまった場合でも、玄関カメラが通知を送ってくれるため、すぐに対応できます。
防犯カメラを設置する際の初期費用は、主に「カメラ本体の費用」と「設置工事費」に分かれます。
防犯カメラは設置して終わりではなく、安定して使うためには毎月・毎年のコストもかかります。主なものは次の通りです。
特に録画機器は24時間365日稼働するため、HDDの劣化などで数年ごとに交換が必要です。
また、長期間映像を保存する場合は、大容量のストレージが必要になり、費用も増えます。
保守契約を結べば、トラブル発生時の対応や定期点検を業者に任せられ、長期的にはコストを抑えることも可能です。
ランニングコストも長期的な視点で把握しておくことが重要です。
防犯カメラの導入方法として、初期費用を抑えたい場合や長期間の利用を前提とする場合、サブスクリプション型の導入が有効です。
特にレンタルは、個人宅や小規模店舗でも利用できる柔軟なサービスです。
メンテナンスの重要性
防犯カメラは長期間使用すると故障や劣化のリスクがあるため、必要に応じてオプション契約を追加し、定期点検やメンテナンスを行うことで安心して利用できます。
法人や個人事業主の場合、レンタルだけでなくリース契約を選択できる場合があります。リースは経費処理がしやすく、長期的な利用に向いています。ただし、リース契約には契約期間や中途解約の制約があるため、事前に条件を確認することが重要です。
特に中小企業やスタートアップにとって、資金面で負担を減らせる便利な方法と言えます。
防犯カメラを設置する時、国や自治体、業界団体が助成金や補助金を出している場合があります。たとえば、中小企業のセキュリティ強化を目的とした「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」、または地域の防犯対策を進めるための自治体独自の助成制度などです。
こうした制度をうまく使えば、導入費用の一部や場合によっては多くを補助してもらえることもあります。
費用負担を減らすためにも、導入を考えている方は、まずはお住まいの自治体や関連する省庁のホームページで最新情報をチェックしてみましょう。
申請には条件や期限があるので、事前に確認することが大切です。
専門業者に依頼すれば、機材選定からアフターフォローまで安心して任せられます。
個人様の自宅へ見守りのために導入。リビングと玄関にカメラを設置し、スマホから日常を確認できるようになりました。
離れて暮らしていても、まるで同じ家にいるような安心感が得られています。
夜間巡回の負担軽減を目的に導入。転倒事故の早期発見が可能になり、スタッフも安心して勤務できるようになりました。
ご家族からも「安心して預けられる」と高評価を得ています。
介護施設に関しては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ一緒にご覧ください。
マンション共用部分に防犯カメラを設置。
防犯だけでなく、高齢者の外出や帰宅の確認にも活用されています。
居住者同士の安心感を高める効果もありました。
防犯カメラは、もはや「防犯」だけのツールではありません。見守り機能を活用することで、家族の安心、介護現場の効率化、そして高齢者本人の安全を守ることができます。
導入にあたってはプライバシーや費用面の検討が必要ですが、専門業者に相談することで最適な提案を受けられます。株式会社セキュリティフォーユーでは、家庭から介護施設、その他の施設まで幅広い環境に対応した防犯カメラ設置を行っています。高齢者の見守りに最適なプランもご用意しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
